ゴルフを始めとするどのスポーツにも言えることですが、始める前のストレッチはとても重要です。
プレー前の準備運動をしている人を見ると、クラブを利用したりしながら思い思いに体を動かしていますが「ゴルフのラウンドに効く」ストレッチになっているとは言えないかもしれません。
ゴルフのラウンド前後に行うとよいスコアアップにもつながるストレッチには、どのようなものがあるでしょうか?
ゴルフではスイング中に瞬間的にかなり大きな力が、筋肉にかかります。
この際、筋肉が柔軟であれば問題が起こることはあまりありませんが、身体(筋肉)が硬いと筋肉を傷めてしまうことがあります。
このためゴルフ前にはストレッチを行い、十分に筋肉を柔軟にしておくことが大切です。
また、ゴルフ後のストレッチは、疲労の早期回復に有効です。
ゴルフによって筋肉が疲労すると、筋肉は硬くなります。
これがゴルフ中に筋肉の中で発生した疲労物質(乳酸など)の除去を妨げ、疲労回復を送らせてしまいます。
場合によっては、翌日、翌々日に筋肉痛を引き起こしてしまいます。
日頃のケアに加えてラウンド前後のケアを必ず行って下さい。
朝が早いスタートのときは、筋肉の柔軟性がありません。
充分なストレッチや、少しランニングするなどして、体を温めてからゴルフをプレーしましょう。
ゴルフのストレッチ9つのポイント
ゴルフと筋肉
ゴルフで主に使う筋肉には、前腕部、上腕部、肩周辺部、腹筋、腰背部、大腿部、下退部などがあります。
ゴルフで起こる特有の傷害には、ダフリなどのミスやスイングの量によって、肘の関節の腱を痛める、いわゆるゴルフ肘や、左右の背筋のバランスをくずし発生する腰痛などがあります。
ゴルフではスイング中に大きな力が筋肉にかかるので、日頃のケアを行い、筋肉に柔軟性を持たせる事が大切となります。
そのために日頃のストレッチ、ゴルフ前のストレッチ、そしてゴルフ後のストレッチがとても重要なのです。
背中ストレッチ
ゴルフの練習前、ラウンド前には時間を割き、十分にストレッチをする習慣をつけましょう。
ゴルフクラブを利用して、背中全体をストレッチしていきます。
ゴルフクラブを杖のようにして、上体を90度前屈させます。
この体勢で背中の中央部を伸ばしたら、今度は少し上体を傾けることで、背中の両サイドを伸ばします。
注意すべきポイントは、とにかく背中をまっすぐ伸ばした状態を保つようにすること。
また最初の時点で、腿の裏側がつらい場合は、少しヒザを曲げた状態で実践してもいいと思います。
クラブを使ってねじる
ゴルフクラブの両端をそれぞれの手で水平上体にして持ち、体を左右にねじっていくことで、腰や背中をストレッチしていきます。
手は水平にするとかいったことは、とくに気にすることはありません。
持ちやすいポジションで持ってください。
そのままのゴルフクラブを持った姿勢で起き上がり、前方から後方へ、また後方から前方へとゴルフクラブを動かしていくことで肩甲骨をほぐしていきます。
無理に素早く一気に動かすようなことはせず、ゆっくりと動かしてください。
初めはゴルフクラブを長めに持つと、楽にできていいと思います。
腰と背中ストレッチ
腰や背中のストレッチも加えます。
ゴルフクラブを両手に持ち、上体を前屈させ、そこから後方に向かってゴルフクラブを動かしていき、また、そこから逆に前方に動かしていきます。
つらいならヒザを少し曲げてもOKです。
前屈する際、腿の裏側も伸ばしたいなら、骨盤から上体を倒すようにし、腰回りも一緒にストレッチしたいなら、背中を丸めた状態で倒していきます。
伸びる場所を意識しながらストレッチを行ってください。
ゴルフ後のストレッチ
ゴルフで疲れた筋肉をストレッチしましょう。
イスに浅めにかけて片側のヒザを曲げます。
そして伸ばしている足の方向に上体を倒していくストレッチを行います。
骨盤を立てた状態で前屈していけば、腿の裏側が伸びますし、少しつま先を立ててやると、ふくらはぎも伸ばすことができます。
ゴルフのラウンドですごく歩いたときなどは、つま先を立ててストレッチを行うといいでしょう。
一方、背中を丸めて前屈すると、腰回りにも効きます。
これは両足を抱えた体勢でやってもいいでしょう。
下半身のストレッチ
次にお尻の筋肉、大臀筋をストレッチするメニューです。
これもイスにやや浅めに座り、片側の足を反対側のヒザの上に載せます。
載せた足の足首やヒザを手で少し押しながら、上体を前方に倒していきます。
倒すときはできるだけ骨盤を立てた状態のままにします。
倒していく方向を変えれば、効くポジションが変わりますが、載せている側の足の方向に倒すと、支えがないので難しいです。
もちろん載せる足を入れ替えて、両側でやってください。
イスの背もたれでストレッチ
そして多少深めにイスに座った状態で、足を組み、上にした足の側に向かって上体をひねっていくストレッチも行います。
この際、背もたれを手でつかんで上体をねじっていくことに利用してもいいですし、背もたれのないイスでやっていただいてもいいと思います。
背筋を伸ばし、呼吸に合わせて息を吐くタイミングで、少しずつねじれを大きくしていくイメージで、ストレッチしてください。
片側が終わったら、足を組みかえて反対側にも同様にねじります。
腕のストレッチ
片側の腕を、逆の腕で引きつける、よく見るストレッチのメニューです。
ただ、多くの人がやりがちな、ぐいぐいと力強く引きつけるような動きは不要です。
肩の位置を変えないようにして引きつけ、肩の部分が伸びていることが実感できれば充分です。
引きつけられる腕の角度を、水平にしたり、手の位置を少し上にしたり下にしたりと変化をさせると、少し伸び方も変わります。
ゴルフの初心者の方はとくに、練習やラウンドでは前腕に力が入り、痛みや疲れが出やすいものです。
そこでお勧めなのがこのストレッチメニュー。
掌を前に向けたものと自分の方向に向けたものと両方をやってください。
ストレッチする側の腕の角度などは、とくに気にする必要はありません。
床に座った状態で、やっていただいてもかまいません。
このとき、手を上下逆の状態でストレッチする場合は、伸ばす際にお尻を浮かせるといいと思います。
ゴルフストレッチの効用
練習、ラウンド後にストレッチを行うことでゴルフ後の疲労回復を促します。
ゴルフにより筋肉は硬くなります。
このためゴルフ後にしっかりとストレッチを行っておかないと、静脈血の還流(心臓への戻り)が妨げられ、疲労物質(乳酸など)が筋肉内などに蓄積し、疲労回復の遅れや、筋肉痛の原因となってしまいます。
このため疲労回復は勿論のこと、ゴルフプレーの翌日や翌々日の筋肉痛予防のためにもゴルフ後のストレッチは非常に大切です。
ゴルフ傷害の予防にもつながります。
ゴルフのラウンド後や練習後には紹介したストレッチメニューを行うとよいでしょう。
いかがだったでしょうか?
ゴルフには特有のよく使われる筋肉と、特有の障害が起こりやすい部分があります。
日頃のストレッチに加え、ゴルフラウンド時や練習時の前後にもストレッチを行いましょう。
特に初心者の方は、体に力が入りがちで筋肉も疲れがちになります。
ゴルフの練習やラウンドの前にストレッチで体をほぐし、終わった後は疲れた筋肉を休ませるストレッチを行うことで疲労回復につながり、次回の練習にスムーズにつながるようになります。