時代に伴って著しく進化したゴルフクラブ。
オールマイティを目指し、現代のドライバーのヘッドは10数年前の1.5倍ぐらい大きくなり、アイアンはボールが上がりやすく飛距離の出る軽量化したものが次々と発売されていくなか、上級者向けに開発されたダンロップ「スリクソンZシリーズ」。
アイアンもドライバーと同様のスタイルで昨年夏に発売されました。
このスリクソンZアイアンとはどのように誕生したのでしょうか?
スリクソンZシリーズはダンロップがツアープロに徹底的に聞き込みを行い、その結果を細かい部分にまで反映して作られた、ツアープロ・上級者向けのゴルフクラブです。
初代のスリクソンGIEが2009年に発売されて以来、現在までに様々なモデルチェンジを重ね進化してきました。
スリクソンZシリーズは先に発売されていたドライバーと同様、アイアンも3種類のヘッドを一度に発売し、シャフトも3種類のなかから選べ、それらを自由に組み合わせてカスタマイズできるようになっています。
アベレージゴルファーに使いやすいオールマイティな道具ではなく、あえて上級者へ向けて発売されたクラブ、スリクソンZアイアン。
上級者が求める弾道・形状などを選択でき、自分好みにできることがこのスリクソンアイアンの大きな特徴です。
ダンロップ「スリクソンZアイアン」に施された細部への工夫、それぞれの特徴はどのようなものなのかを見てみましょう。
スリクソンアイアンを使う5つのポイント
操作性の高い「Z925」
「Z925」は歴代のスリクソンシリーズにはなかったフラットバックの形状のアイアンです。
ヘッドの材質には、メーカーが従来使用していたものよりさらに軟らかい鉄を使用した「軟鉄鍛造アイアン」です。
キャビティのようにボールが上がりやすいクラブだと、ボールが吹け上がってしまったり、自分のイメージ以上に上がりすぎてしまう場合、スリクソンZアイアンのフラットバックだと自分のイメージ通りの球が打つことができます。
「Z925」は小ぶりなヘッドでソールはスリクソンZアイアンの中では一番薄いです。
操作性があり弾道の打ち分けもしやすく数ヤード単位で狙ったところにボールを落とす、まさにツアープロ向けのクラブです。
ツアーで主流の「Z725」
スリクソンZアイアン「Z725」はツアープロにも使用者が多く、そのコメントに多いのは「吸い付くような打感」です。
スリクソンZアイアン「Z725」のヘッドの形状はハーフキャビティで、材質は「Z925」と同じ「軟鉄鍛造アイアン」です。
もちろんハーフキャビティという、球が上がりやすく弾道も自由にコントロールできるクラブですが、珍しくヘッドが小ぶりでスマートな外観です。
そして、ソールが比較的薄いので、アベレージゴルファー以上の方におすすめしたいクラブです。
スリクソンZアイアンの全ての種類に施されているツアーエクストリームという多少のライの悪さでも振りぬけるような設計は、スリクソンZアイアンの中で「Z725」が一番効いているアイアンかもしれません。
ボールが楽々あがる「Z525」
スリクソンZアイアン「Z525」はこの種類の中で一番フェースが長く、ソール幅もあるアイアンです。
ヘッド形状はポケットキャビティで、本体の材質に他の2種類と同じ鉄を使用しフェース面だけ「クロムバナジウム鋼」を使用した「軟鉄鍛造複合キャビティ」です。
「クロムバナジウム鋼」は反発の強さと柔らかい打感を出すために使われていています。
打感はそれでも他の2種類と比べると硬いですが、その分初速が上がり飛距離がでやすくなっているのがスリクソンZアイアン「Z525」の特徴です。
番手ごとにも組み合わせ可能
スリクソンZアイアンは上記ヘッド3種類とシャフトにも3種類があります。
スチールシャフト2種類とカーボンシャフト1種類です。
スチールシャフトは少し重めの「ダイナミックゴールド」と「N.S.PRO 980GH」、カーボンシャフトは「Miyazaki KENA(ケーナ) Blue 8」となっています。
スリクソンZアイアンはシャフト全ての種類にダンロップ独自の理論である、手元重心化とヘッドの重量を増加することでヘッドスピードを出すという「D.S.T」(デュアル・スピード・テクノロジー)を採用しています。
具体的にはシャフト側の重心を手元側へ約20mm移動させ、ヘッドの重量を2~4g増加させています。
細かい番手ごとに自由自在に組み合わせることが可能です。
細部への工夫
ツアープロへの徹底的なヒアリングの結果から開発されたスリクソンZアイアンは細部にもこだわった工夫が施されています。
まずフェース面にはスリクソンシリーズ途中から採用した新レーザーミーリングという波型形状の溝でスピンの量を減らし、様々な状況のライからのショットが安定するように作られています。
そして、センター寄りでヒットしている上級者が多い事から、ソールのトウ側にタングステンニッケルウエイトを付けスイートエリアが必然的にセンターに来るように配置されています。
最後にスリクソンZアイアンの外観のカッコよさも注目するべきところです。
いかがだったでしょうか?
上級者向けスリクソンZアイアンの特徴と工夫についてまとめてみました。
スリクソンZアイアンは扱いやすいように工夫されていますが、やはり内容を見ると、スリクソンZアイアンは上級者向きのアイアンです。
それでも初心者以上の方には是非トライする価値のあるアイアンです。
難しさに怯まずに試してみることで、もしかしたら、自分にフィットするアイアンの一本が見つかるかもしれません。